登山用20Lバックパックを買う前に知るべき5つのポイントとおすすめモデル

軽量なバックパックを背負って登山道を歩く日本人登山者の後ろ姿

日帰り登山やファストハイクにちょうど良い容量として人気なのが「20L前後のバックパック」。しかし、軽量・小型であるがゆえに「荷物が入らなかった」「背負い心地が合わなかった」といった失敗も少なくありません。

この記事では、登山歴10年以上の筆者が、20Lバックパックを選ぶ際に注目すべき5つのポイントを解説。さらに、2025年最新のおすすめモデル7選もご紹介します。初心者から中級者まで、失敗しないバックパック選びの参考にしてください。

目次

登山用20Lバックパックはどんな人におすすめ?

日帰り登山スタイルの登山者とULハイカーの比較イメージ
日帰り登山にぴったりな20Lザックと、UL志向の超軽量装備。

登山用バックパックにはさまざまな容量がありますが、その中でも「20L」はどんな登山者に合っているのでしょうか?ここでは、20Lサイズのバックパックが向いている登山スタイルやユーザー像を具体的に解説します。

日帰り登山がメインの人に最適

20L前後のバックパックは、日帰り登山に必要な荷物をコンパクトにまとめたい人にぴったりのサイズです。レインウェアや飲料、行動食、救急用品など、基本装備を無理なく収納できる容量があり、無駄のない装備で快適な山行が可能になります。

特に天候が安定している春から秋にかけての登山では、この容量で十分対応できる場面が多いでしょう。

軽量装備で動きやすさを重視する人に

荷物を軽くして身軽に動きたい人や、スピードを重視するファストハイカーにも20Lバックパックは適しています。ザック本体が軽く、体への負担も少ないため、行動時間が長くなる山行でも疲れにくいのが魅力です。

必要最小限の装備で山を楽しむ、UL(ウルトラライト)思考の登山者にとっても、20Lは実用的な選択肢となります。

購入前にチェックすべき5つのポイント

登山用バックパックの選び方5項目(背負い心地、ポケット、通気性、軽さ、レイン対応)の図解
購入前にチェックしたいポイント。失敗しないための基礎知識として覚えておこう。

20Lバックパックといっても、メーカーやモデルによって使い勝手は大きく異なります。ここでは、失敗しないために確認しておきたい5つの重要ポイントを紹介します。購入前にこれらを押さえておくことで、自分にぴったりの1つが見つかるはずです。

① 背負い心地とフィット感

バックパックの快適さを左右する最も重要な要素が「フィット感」です。特に20Lは軽量な分、腰ベルトやショルダーハーネスの構造が簡易的なモデルも多く、自分の体型に合っていないと長時間の山行で肩や腰に痛みを感じることがあります。可能であれば試着して、体にしっかりフィットするかを確認しましょう。

② ポケットや収納の使いやすさ

荷物の整理とアクセスのしやすさも、登山中のストレスを軽減する重要なポイントです。20Lバックパックは容量が限られているため、外ポケットやサイドポケットの有無や配置が利便性を大きく左右します。

頻繁に使う行動食やスマホ、地図などは外ポケットに収納できると便利です。

③ 背面パネルの通気性

背面パネルの構造によっては、背中に熱や湿気がこもってしまうことも。特に夏場や行動量の多い山行では通気性の高いメッシュ構造が効果的です。

背面に空間を持たせるタイプや、立体的に設計されたフレーム入りのモデルも快適さを高めてくれます。

④ 軽さと耐久性のバランス

「軽い=正義」ではありません。軽量化に特化しすぎると、生地が薄くて破れやすかったり、背負い心地が犠牲になる場合もあります。

軽さと同時に耐久性や安定感があるか、縫製や素材の強度もチェックしておきましょう。

⑤ ハイドレーションやレインカバーの有無

ハイドレーション(給水パック)対応か、レインカバーが付属しているかも重要です。長時間の登山では水分補給のしやすさが疲労軽減に直結しますし、突然の雨に備えてザックを保護する手段も必要です。

付属していない場合は別途用意する必要があります。

おすすめの登山用20Lバックパック7選(2025年版)

ここでは、日帰り登山やファストハイクに最適な20L前後の登山用バックパックを厳選して7モデルご紹介します。それぞれのモデルの特長や適した使い方を理解して、自分にぴったりのザック選びに役立ててください。

スクロールできます
モデル名容量重量背面長素材レインカバー
カリマー「cleave 20」20L660g47cmナイロン89%、ポリエチレン11%(N100D X-GRID R/S NY)なし
マムート「リチウム 20」20L740gリサイクル素材(PFCフリーの耐久撥水加工)あり
ミレー「クンブ マウンテン クルーズ 22」22L850g46cm420D ナイロン100%なし
サロモン「AEROTREK 20」20L845g46cmナイロン・ポリエステル・ポリウレタンなし
EXPED「Skyline 20」20L790g(S/Mサイズ)43~51cm(S/Mサイズ)リサイクルポリエステル(PUコーティング、耐水圧1500mm)あり
ザ・ノースフェイス「エフピー26」27L約610g100Dチェスナイロン・ストレッチファブリックなし
ドイター「SPEED LITE PRO 25」25L680g44〜54cmナイロンなし

1. カリマー「cleave 20」

  • 容量:20L
  • サイズ:H47×W25×D21cm
  • 重量:約640g
  • 素材:ナイロン89%、ポリエチレン11%(N100D X-GRID R/S NY)
  • 特徴:無駄を省いたシンプルな構造と、岩場でも安心な耐久性が魅力のモデル。ナイロンとポリエチレン混合のX-GRID生地により、引き裂きや摩耗にも強く、軽量さと頑丈さを両立しています。取り外し可能なウエストベルトやフロントのデイジーチェーンなど、必要最小限ながら登山に必要な機能が凝縮されています。ULハイクやアルパイン志向の日帰り登山におすすめ。

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2. マムート「リチウム 20」

  • 容量:20L
  • 重量:約740g
  • 素材:リサイクル素材(PFCフリーの耐久撥水加工)
  • 特徴:環境に配慮したリサイクル素材を使用しつつ、多機能で使いやすいモデル。EVAパッドを採用したショルダーベルトは通気性が高く、夏の登山でも蒸れにくい設計です。ヒップベルトやチェストストラップは取り外し可能で、シーンに合わせて調整可能。レインカバーも付属しており、急な雨への備えも安心なオールラウンダーです。


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3. ミレー「クンブ マウンテン クルーズ 22」

  • 容量:22L
  • 重量:約890g
  • 特徴:フィット感を重視した構造で、体にぴったり密着する背面設計が特長。荷物がブレにくく、スピーディーな行動をサポートします。やや容量は大きめの22Lですが、その分収納力や安定性は抜群。ポールホルダーや多目的ループも装備されており、ファストハイクやテクニカルな日帰り登山に最適な一品。


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4. サロモン「AEROTREK 20」

  • 容量:20L
  • 重量:約845g
  • 素材:ナイロン・ポリエステル
  • 特徴:独自の「Advanced airCHASSIS」構造により、背面の通気性と荷重分散性を高め、長時間の行動でも快適な背負い心地を実現しています。また、ハイドレーションシステム対応で、行動中の水分補給もスムーズです。軽量でありながら、トレッキングポールの取り付けや多彩なポケット配置など、機能性も充実しています。

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5. EXPED「Skyline 20」

  • 容量:20L
  • サイズ:S/M:52×29×22cm、M/L:54×29×22cm
  • 重量:S/M:850g、M/L:980g
  • 素材:リサイクルポリエステル(PUコーティング、耐水圧1500mm)
  • 特徴:通気性と背負い心地に優れた高機能バックパック。U字型のスプリングスチールフレームにより、荷重をしっかり分散しつつ、背面のエアフローパネルが蒸れを防ぎます。ハイドレーション対応、ヘルメットホルダー、レインカバー内蔵など、多機能を求めるハイカーにとって理想的な選択肢です。


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6. ザ・ノースフェイス「エフピー26」

  • 容量:26L
  • サイズ:H57×W28.5×D9cm
  • 重量:約600g
  • 特徴:わずか600gという軽さが最大の魅力。スリムなフォルムで、行動時の邪魔にならず、ファストハイクやスピード登山で真価を発揮します。軽量ながらも背面にはパッドを備え、快適性にも配慮。見た目もシンプルで、街と山を行き来するアクティブな人にぴったりなモデルです。


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7. ドイター「SPEED LITE PRO 25」

  • 容量:25L
  • サイズ:54×28×20cm
  • 重量:約680g
  • 特徴:スピードハイクやトレイルランニングに適した、スポーティーなバックパック。ベスト型のショルダーハーネスが体にしっかりフィットし、走ってもブレにくいのが特長です。ハイドレーション対応で給水もスムーズ、さらに背面のLiteAirシステムにより通気性も抜群。軽量性・安定性・運動性能を兼ね備えたモデルです。


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これらのバックパックは、それぞれに特徴があり、登山スタイルや目的に応じて選択することが重要です。

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選び方の失敗例と後悔しないためのポイント

容量不足・フィット不良・通気性の悪さに困っている3人の日本人登山者
実際によくある失敗例3つ。「小さすぎた」「肩が痛い」「背中が蒸れる」…経験ありませんか?

バックパックは登山装備の中でも非常に重要なアイテムですが、選び方を間違えると山行中のストレスや危険につながることもあります。ここでは、よくある3つの失敗パターンと、それを防ぐための対策を具体的に解説します。

容量が足りず、必要な装備が入らなかった

「20Lあれば十分だろう」と安易に選んでしまい、いざ荷物を詰めてみると、レインウェアや防寒具、行動食を入れた時点でパンパンに…というのはよくある失敗です。特に春や秋の登山では気温差が大きく、防寒具が必須になるため実際には25L前後がちょうど良いケースも多いです。

また、地図・ヘッドライト・ファーストエイドキットなど、緊急時用の装備を後から追加すると収納スペースが足りなくなることも。日帰りでも装備が多めになりがちな人は、容量に余裕を持って選ぶのが後悔しないポイントです。

背負い心地が悪く、肩や腰が痛くなった

スペックや見た目だけで選んでしまうと、実際のフィット感に違和感を覚えることがあります。登山中は長時間にわたりバックパックを背負い続けるため、ショルダーハーネスや背面パネルの構造が自分の体に合っているかがとても重要です。

とくに注意したいのは小柄な方や女性ユーザー。男性用のサイズ規格だと背面長が合わず、負担が集中してしまうケースもあるため、ユニセックスまたはウィメンズモデルを選ぶことも検討しましょう。店舗で試着できる場合は、実際に荷物を入れて背負ってみると感覚がつかめます。

背中が蒸れて不快だった

登山中、特に夏場や行動量の多いシーンでは、背中の蒸れによる不快感が大きなストレスになります。原因の多くは背面パネルの通気性不足によるもので、メッシュパネルや立体構造の通気スペーサーが無いモデルは汗が溜まりやすくなります。

これによりシャツが濡れたまま冷えて体温を奪われることもあり、快適性だけでなく安全性の面でも問題です。背中がムレやすい方や夏季登山をメインにする方は、エアフローバック構造やメッシュ付きの背面パッドがあるモデルを選ぶのがおすすめです。


このような失敗を防ぐには、「登山スタイルに合った容量」「体格に合った設計」「快適性を意識した構造」の3つをしっかり見極めることが大切です。

まとめ|20Lバックパックは“軽さと機能”のバランスが大事!

登山を終えて笑顔で休む日本人登山者と20Lバックパック
自分に合ったザックを選べば、登山はもっと快適に。軽さと機能のバランスが重要です。

20L前後のバックパックは、軽さと機動力を求める登山者にとって非常に魅力的な選択肢です。しかし、軽さだけに注目すると「収納不足」や「背負いにくさ」など、後悔につながるリスクもあります。

大切なのは、登山スタイルや季節、自分の体格に合ったモデルを選ぶこと。この記事で紹介した5つのチェックポイントや、7つのおすすめモデルを参考に、自分にとってベストなバックパックを見つけてください。

軽快な登山を楽しむために、“ちょうどいい”20Lザックを味方につけましょう!

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この記事を書いた人

関西の山を中心に登山をしております。

今まで登った山は
富士山、奥穂高岳、槍ヶ岳、石鎚山、剣山
大台ヶ原山、伊吹山、八経ヶ岳、etc…

主に関西の山の情報や本などから得た知見を当サイトと
YouTubeにて発信しています。

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