「軽量ザックって、必要最低限の機能だけで正直ちょっと頼りない」——そんな先入観を持っていた私が、カリマーのcleave20を手に取り、登山で実際に使ってみました。
使ってみると、軽さだけでなく背負い心地や収納力、外付け装備の自由度など、予想以上の完成度。
本記事では、登山で使用したからこそ見えてきたcleave20の魅力と気になる点を、写真を交えて本音でレビューします。
cleaveシリーズとは?|軽さと機能を兼ね備えた“洗練された引き算”

カリマーの「cleave」シリーズは、無駄を省きながらも登山に必要な機能をしっかり残すという、いわば“引き算の美学”で設計された軽量バックパックシリーズです。
特設ページでも「軽量であることと、使いやすさを両立させる」ことがテーマとされており、単に「軽いだけ」のザックではない点が特徴です。
実際、cleave20は20Lというコンパクトな容量ながら、ギアループ、フロントのメッシュポケット、ボトムコードといった拡張性の高い装備が搭載されており、軽量ザックにありがちな“機能不足感”は感じさせません。
また、背面パッドやショルダーハーネスには、身体に沿うよう立体的にカットされたパッドが使用されており、背負い心地にもしっかり配慮されています。
こうした「見えにくい部分」への設計のこだわりこそ、カリマーらしいプロダクト哲学と言えるでしょう。
「軽さを求めたいけど、快適性や使いやすさは妥協したくない」――
そんなユーザーに向けて開発されたのが、このcleaveシリーズです。
cleave20の基本スペックと外観チェック
カリマー「cleave20」は、軽量ながらも多機能を備えた20L容量のバックパックで、日帰り登山やファストハイクに適したモデルです。
cleave20 スペック表
項目 | 内容 |
---|---|
容量 | 20L |
重量 | 約660g |
サイズ(cm) | 高さ53 × 幅26 × 奥行21 |
背面長 | 47cm |
素材 | – N100D X-GRID R/S NY(ナイロン89%、ポリエチレン11%)- 100D R/S NY(ナイロン100%)- 420D High density NY(ナイロン100%) |
発売年 | 2025年春夏モデル |
価格(税込) | ¥25,300 |
カラー展開 | – Feather White(フェザーホワイト)- Coyote(コヨーテ)- Dark Charcoal(ダークチャコール) |
外観の印象:軽量性と機能性を備えたシンプルデザイン

cleave20は、シンプルながらも登山に必要な機能をしっかりと備えたデザインが特徴です。フロントには大型のストレッチメッシュポケットが配置され、レインウェアや防寒着などの収納に便利です。また、デイジーチェーンやボトムアタッチメントコードが装備されており、外部装備の取り付けも容易です。

サイドには伸縮性のあるメッシュポケットがあり、ボトルや小物の収納に適しています。ショルダーハーネスにはユーティリティポケットが付属し、行動中の小物の出し入れがスムーズに行えます。
全体的に、軽量でありながらも多機能を備えた設計となっており、日帰り登山やファストハイクに最適なバックパックと言えるでしょう。
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登山で使って実感したcleave20の魅力

cleave20を実際に登山で使用してみて感じたのは、“軽さ”と“安心感”の絶妙なバランスです。
軽量バックパックというと、背負い心地や収納力をある程度犠牲にするイメージがありますが、cleave20にはそれがありませんでした。以下、登山中に感じた具体的なポイントを紹介します。
軽さと背負い心地のバランスが秀逸
実測約660gという軽さながら、背面にはパッドが内蔵された立体的なバックパネルが配置されており、背負った瞬間から「頼りなさ」がまったくありませんでした。
ショルダーハーネスのフィット感も良く、動いていてもズレにくく、荷重がうまく分散されている印象です。
長時間歩いても肩に食い込むような疲れを感じにくく、軽さの恩恵をしっかり受けられるザックだと感じました。
ウエストベルトはシンプルでも効果的

cleave20のウエストベルトは、クッション入りではなくシンプルなベルトタイプです。
「腰で荷重を支える」というよりは、ザックと体を一体化させて安定させるためのパーツとして機能します。
ベルトを締めることでザックが体にフィットし、特に下り坂や段差の多い山道での揺れをしっかり抑えてくれます。
また、ウエストベルトは取り外し可能なので、状況に応じて軽量化も図れます。
20Lとは思えない拡張性で装備力アップ

一見コンパクトな20Lサイズですが、実はかなりの積載力があります。
- フロントのストレッチメッシュポケットにはレインウェアや防寒着を収納可能
- ボトムアタッチメントコードにはマットやスタッフバッグを取り付け可能
- ギアループにはトレッキングポールや軽量テントも固定できそう
これらの外付け機能を活用すれば、UL装備でのテント泊も視野に入るほどの拡張性があります。
ザック本体に無駄な装飾がないぶん、必要な装備を自分のスタイルに応じて組み合わせて使えるのが魅力です。
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購入前に知っておきたい「特徴」や「好みの分かれる点」

cleave20は非常に完成度の高いバックパックですが、万人にとって“完璧”とは限りません。
実際に使ってみて、「これは人によって評価が分かれるかもしれない」と感じたポイントがありました。
シンプルな構造ゆえ、細かい収納は少なめ
cleave20の内部構造は非常にシンプルで、メインコンパートメントは1気室のみ。
トップにジッパー付きのポケットが1つ、内部に小物を収納するジッパーポケットが1つあるものの、仕切りはありません。
そのため、行動食やヘッドランプ、スマホ、小物類などを整理したい人には、小分けポーチやスタッフサックの併用が前提になります。
逆に言えば、パッキングの工夫が楽しめる人には自由度が高く、使いこなすほどに自分のスタイルに馴染んでくる構造とも言えます。
優れた強度の生地を使っているが防水性はない

cleave20は耐久性に優れたナイロン素材(X-GRID R/S NYや420D高密度ナイロン)を使用しており、山での使用に十分耐えうるタフさがあります。
しかし、防水性能は備わっておらず、防水性を求める場合は別途レインカバーが必要です。
特に悪天候時や長時間の縦走では、ザックの中身が濡れないようにレインカバーを携行することをおすすめします。

cleave20はこんな登山スタイルにおすすめ

cleave20は、軽さ・拡張性・機能性のバランスが非常に優れており、以下のような登山スタイルに特におすすめです。
ミニマル装備の日帰り登山に最適
容量20Lというサイズ感は、日帰り登山で必要な装備を無駄なく収めるのにちょうど良いボリュームです。
行動食・レインウェア・水・防寒着・ファーストエイド・ヘッドランプといった基本装備に加え、フロントやボトムへの外付けを活用すれば余裕も生まれます。
「できるだけ荷物を軽くしたいけど、快適性や安定感も捨てたくない」——そんな方には非常にフィットします。
UL装備でのテント泊にも対応可能
cleave20は、UL志向のハイカーにとってはテント泊にも対応できるポテンシャルを持っています。
軽量シュラフやコンパクトテントなどを装備すれば、20Lでも装備一式を収めることは不可能ではありません。
実際に外付け機能を活用すれば、着替えやマット、食料などの増減にも柔軟に対応できるため、1泊2日程度のUL山行にもチャレンジできる構成です。
サブザックとしての携行にも便利

本体重量が660gと軽量なので、縦走やベースキャンプ型の登山で「サブザック」として持ち運ぶのにも適しています。
荷室がシンプルなぶん、使わないときはフラットに畳んで収納できる点も◎です。
街使いにはやや“山感”が強め
あえて触れておくと、cleave20のデザインはあくまで「山向け」に振り切られた印象です。
シンプルな見た目ではありますが、フロントポケットやギアループなどが目立つため、普段使いとして街中で違和感なく馴染むかというと少し難しいかもしれません。
とはいえ、山好きが「機能性重視で使い倒したい」という用途には、むしろこの無骨さが心強い相棒になります。
まとめ|「軽さ×機能性×拡張性」を求める人にぴったりの一品

カリマー「cleave20」は、単なる“軽量ザック”の枠を超えた、登山で本気で使える小型バックパックです。
背負い心地やフィット感といった基本性能に加え、フロントメッシュポケットやボトムコード、ギアループによる高い拡張性も備え、装備の自由度が高いのが最大の魅力。
また、無駄を削ぎ落としたシンプルな構造だからこそ、使う人のスタイルによって柔軟にカスタマイズできます。
一方で、内部ポケットが少なく整理整頓に工夫が必要だったり、見た目が明確に“登山向け”だったりと、好みの分かれるポイントもありますが、それらは「使いこなす楽しさ」として受け取れる人にとってはむしろ魅力といえるでしょう。
cleave20はこんな人におすすめ
- ミニマル装備で軽快に歩きたい登山者
- 軽さだけでなく背負い心地も妥協したくない人
- 自分好みに装備を外付けしてアレンジしたい人
- サブザックやUL用の汎用バックパックを探している人
本格的な登山で信頼できる「軽量バックパック」を探しているなら、cleave20は間違いなく選択肢に入る一品です。
あなたの登山スタイルにも、きっとフィットしてくれるはずです。
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