本記事では、登山ヘルメットの必要性を解説します。選び方、正しい着用法、メンテナンス方法も詳しく説明します。これらの情報を理解すれば、楽しみながらもリスクから自分を守ることができます。
一緒に、安全で楽しい登山体験を追求しましょう。
登山ヘルメットの必要性とその役割
登山ヘルメットが必要な理由
登山用のヘルメットは、頭部を保護し、落石、転倒、滑落などの危険から安全を確保するために必要です。
警察庁の「令和3年における山岳遭難の概況」によれば、年間の山岳遭難者数が3,075人。
内283人が死亡または行方不明になっており、死亡原因の上位にランクインするのが転倒、滑落である。
その中でも頭部への直接的なダメージによる死亡事故も報告されており、頭部の保護をするヘルメットは非常に重要な登山道具のひとつと言えます。
また長野県では以下の地域を”山岳ヘルメット着用奨励山域“としており入山する際にはヘルメットの着用が推奨されています。
山域名 | 指定する山域 |
---|---|
北アルプス南部(無雪期) | 【岩稜帯】槍・穂高連峰のうち、北穂高岳から涸沢岳・屏風岩、前穂高岳(北尾根から吊尾根)一帯、西穂高岳から奥穂高岳、北穂高岳から南岳(大キレット)、北鎌尾根・東鎌尾根の区域 【活火山】焼岳、乗鞍岳 |
北アルプス北部(無雪期) | 【岩稜帯】不帰の嶮周辺、八峰キレット周辺 |
南アルプス(無雪期) | 【岩稜帯】甲斐駒ケ岳、鋸岳 |
中央アルプス(無雪期) | 【岩稜帯】宝剣岳 |
その他(無雪期) | 【岩稜帯】戸隠山、西岳(戸隠連峰) 【活火山】御嶽山、浅間山 |
◎積雪期 | 滑落、転落、落石等の危険のあるすべての山域(雪山登山、バックカントリーを問わない) |
ヘルメットが果たす役割と登山における重要性
ヘルメットは、登山者の安全を確保するために不可欠な装備であり、頭部を保護し、潜在的な危険から登山者を守る役割を果たしています。
長野県によれば遭難者の4人に1人は頭部に何かしらの負傷を負っているが、ヘルメットを着用をしていたため助かった事例もあるとのことだ。
このことからも登山におけるヘルメットは非常に重要で、自身の命を守る役割を果たしていることがわかる。
登山ヘルメットの選び方
ヘルメットの選び方:重要なポイントと注意点
登山ヘルメットを選ぶ際の重要なポイントは、安全基準の遵守がなされているか、適切なサイズとフィット感、そして快適さです。
ヘルメットは主に落石や転倒時の頭部保護を目的としています。したがって、その機能を最大限に発揮するためには、ヘルメットが頭にしっかりフィットし、同時に安全基準に適合していることが重要です。
また、長時間の使用を考慮すると快適さも重要な要素となります。
「Black Diamond」や「GRIVEL」などの有名なヘルメットメーカーは、これらの重要なポイントを満たしており、登山者からの高い評価を受けています。
安全基準とマークの説明:CE・UIAAマークについて
CEマークとUIAAマークは、登山ヘルメットの安全性を示す主要なマークです。これらのマークが付いている商品は、一定の安全基準を満たしていると認識されます。
CEマークは、欧州経済領域内で製品が基本的な安全要件を満たしていることを示すマークです。
UIAAマークは、国際山岳連盟が登山用品に対して設定した基準を満たしていることを示すマークです。これらのマークが付いているヘルメットは、一定の安全性が保証されています。
適切なサイズとフィット感の見つけ方
ヘルメットはサイズが合っていなければ、本来担保されている保護を受けれない場合があります。
また、適切なフィット感は、長時間の使用でも快適さを保つために重要です。
ヘルメット選びの際は、まず頭囲を柔らかいテープメジャーで測定します。その数値を基に、ヘルメットのサイズガイドに従って適切なサイズを選びましょう。
そして、実際にヘルメットを試着し、顎のストラップが適切にフィットし、ヘルメットが頭部をしっかりと覆っているかを確認すると良いでしょう。
人気の登山ヘルメット10選
Black Diamond
ハーフドーム
サイズ | S/M=50-58cm M/L=56-63cm |
重量 | S/M=330g M/L=350g |
“Black Diamond”の「ハーフドーム」は、耐久性とコストパフォーマンスに優れた登山ヘルメットです。
ABSシェルを使用した硬質な外殻とEPSフォーム(発泡ポリスチレン)製の衝撃吸収ライナーを備えており、頭部をしっかりと保護します。
Black Diamond
ビジョン
サイズ | S/M=頭囲53-59cm M/L=頭囲58-63cm |
重量 | S/M=220g(実測値) M/L=240g(実測値) |
Black Diamondのヘルメット「ビジョン」は、耐衝撃性と耐久性を備えた高性能な登山用ヘルメット。
EPPフォーム(拡張ポリプロピレン)と硬質シェルを組み合わせることで、優れた衝撃吸収性を実現しています。
また、軽量でありながらも堅牢性を保つ設計は長時間の使用でも負担を感じにくいです。
PETZL
シロッコ
サイズ | S/M=頭囲48-58cm M/L=頭囲53-61cm |
重量 | S/M=160g M/L=170g |
PETZLの「シロッコ」は、超軽量かつ高い保護性能を備えた登山用ヘルメット。
EPP(拡張ポリプロピレン)とEPS(発泡ポリスチレン)の二層構造で、衝撃吸収に優れています。
頭部の通気性を確保するための通気孔も設けられており、長時間の活動でも快適に着用できます。
また、調整可能なストラップと後頭部のフィット調整機能で、個々のユーザーに適したフィット感を実現します。
PETZL
ボレオ(メンズ)/ボレア(ウィメンズ)
ボレオ
サイズ | S/M=48-58cm M/L=53-61cm |
重量 | S/M=285g M/L=295g |
ボレア
サイズ | 52-58cm |
重量 | 295g |
PETZLの「ボレオ/ボレア」は、頑丈で汎用性の高い登山ヘルメット。
耐衝撃性に優れたABSプラスチック製の外殻と、衝撃吸収EPSライナーにより、頭部の全方位をしっかり保護します。
サイド、フロント、後頭部もカバーする設計で、岩登りから洞窟探検まで幅広い活動に対応。
ベンチレーションは調整可能で、着用感の調整も容易です。耐久性と機能性を兼ね備えた「ボレオ/ボレア」は、多様なアウトドアシーンに適しています。
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\ボレアはこちら/
PETZL
メテオ(メンズ)/メテオラ(ウィメンズ)
メテオ
サイズ | S/M=48-58cm M/L=53-61cm |
重量 | S/M=225g M/L=240g |
メテオラ
サイズ | 52-58cm |
重量 | 225g |
PETZLの「メテオ/メテオラ」は、軽量性と通気性に優れた登山ヘルメット。
ポリカーボネート製の外殻とEPSフォームで作られた衝撃吸収ライナーを採用し、頭部を効果的に保護します。
大きな通気孔を設けることで優れた通気性を確保し、長時間の使用でも快適性を維持します。
フィット調整はスムーズで、ヘッドランプクリップを含む便利な機能も充実。軽量かつ機能的な「メテオ/メテオラ」は、活動性を求める登山家に理想的な選択です。
\メテオはこちら/
\メテオラはこちら/
Grivel
サラマンダー2.0
サイズ | 55-61cm |
重量 | 352g |
GRIVELの「サラマンダー2.0」は、耐久性と快適さを重視した登山用ヘルメット。
硬質のABSプラスチック製の外殻と、衝撃吸収性のEPSフォームで作られています。
また、内部には快適なパッドが付けられており、長時間の使用でも快適さを提供します。
調節可能なストラップと後頭部のダイヤル調整により、各ユーザーに合ったフィット感を実現します。
頭部の通気性を確保するための通気孔も設けられています。
Grivel
ステルス
サイズ | 55-61cm |
重量 | 200g |
GRIVELの「ステルス」は、軽量かつ高い保護性を持つ登山用ヘルメット。
画期的なハニカム構造(蜂の巣構造)を採用したABSプラスチック製の外殻とEPSフォームで作られており、耐衝撃性に優れています。
その特殊なデザインは、ヘルメットの重量を最小限に抑えつつ、通気性と耐衝撃性を高めています。
後頭部の調整ダイヤルと調節可能なチンストラップにより、フィット感を個々のユーザーに合わせて調整できます。
Mammut
スカイウォーカー3.0
サイズ | 53-61cm |
重量 | 334g |
Mammutの「スカイウォーカー3.0」は、堅牢で使いやすい登山用ヘルメット。
耐衝撃性の高いABSプラスチック製の外殻と、衝撃吸収ライナーを採用し、高い安全性を提供します。
通気性を確保するための通気孔も設けられており、長時間の使用でも快適性を維持。
また、サイズ調整はダイヤル式で簡単に行うことができ、個々のユーザーに適したフィット感を実現します。
「スカイウォーカー3.0」は、その安全性と利便性で登山愛好家から高い評価を受けています。
Mammut
クラッグセンダー
サイズ | 52-57cm 56-61cm |
重量 | 52-57cm=199g 56-61cm=219g |
Mammutの「クラッグセンダー」は、最高の軽量性と保護性を備えた登山ヘルメット。
EPP(拡張ポリプロピレン)と硬質のポリカーボネートシェルを組み合わせることで、衝撃吸収性と耐久性を両立させています。
最小限の重量で最大の保護性能を提供し、頭部全体をカバーします。
通気性も優れており、調節可能なストラップでフィット感を最適に調整できます。
頭頂部にはヘッドランプを固定するクリップも装備。高度なパフォーマンスと機能性を求める登山家におすすめ。
mont-bell
アルパインヘルメット
サイズ | 54-62cm |
重量 | 305g |
mont-bellの「アルパインヘルメット」は、耐久性と軽量性を兼ね備えた登山用ヘルメット。
衝撃吸収性の高いEPSフォームと耐衝撃性に優れたポリカーボネート製のシェルを採用し、安全性を確保します。
また、ヘルメット全体に配置された複数の通気孔により、優れた通気性を提供し、長時間の活動でも快適性を維持します。
調節可能なフィットシステムにより、個々のユーザーに合わせたフィット感を得られます。
登山ヘルメットの正しい使用法とメンテナンス
ヘルメットの正しい着用法と調整方法
ヘルメットが適切にフィットしていないと、衝撃を適切に吸収できず、事故時の保護機能が低下します。
ヘルメットを着用する際は、ヘルメットが頭部を正しく覆い、顎ストラップがしっかりとフィットしていることを確認します。調整は、頭部の形状やサイズに合わせて行い、ヘルメットが動きすぎないようにします。
ヘルメットのメンテナンスと寿命
ヘルメットは登山者の安全を保護する重要な装備品であるため、その機能を維持するための適切なメンテナンスと管理が必要。
また、一度大きな衝撃を受けたヘルメットは、その保護機能が低下する可能性があると考えられています。
加えて、長期間使用したヘルメットは紫外線や温度変化などにより劣化する可能性があります。
ヘルメットの清掃は、石鹸と水を使用して優しく洗い、自然乾燥させる。
また、ヘルメットにひびが入ったり、他の明らかなダメージが見られる場合、または製造から3-5年が経過した場合は新しいヘルメットに交換するべきです。
これによりヘルメットの機能を維持し、登山者の安全を確保します。
ヘルメットホルダーの活用も
ヘルメットはザックに入れるとなると、かさ張りけっこうな体積を占めます。
長期縦走などで他の荷物が多い場合はヘルメットの体積が非常に邪魔になります。
そんな時はヘルメットホルダーを使い外付けしましょう。
以下におすすめのヘルメットホルダーを紹介いたします。
Mammut
ヘルメットホルダー
MILLET
ヘルメットホルダー
oxtos
ヘルメットホルダー
THE NORTH FACE
ヘルメットホルダー
登山ヘルメットのQ&A
本記事のまとめ
登山ヘルメットは、登山において最も重要な装備の一つであり、その選び方や着用方法、メンテナンス方法について理解することは必須です。
特に、ヘルメットの選び方では、適切なサイズやフィット感、そして安全基準の遵守が重要となります。
また、ヘルメットの正しい着用と調整、さらには定期的な清掃と交換は、あなたの安全を確保するために欠かせないプロセスです。
登山は自然と直接向き合う素晴らしい経験ですが、それは同時に私たち自身の安全を確保することの重要性を再認識させるものでもあります。
この記事を参考に、あなたの登山体験がより安全で楽しいものになることを願っています。
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