【実録レポ】大岩ヶ岳登山|千苅ダムから絶景と湿原を巡る周回コース

神戸市北区と宝塚市にまたがる「大岩ヶ岳(おおいわがたけ)」は、標高384mと控えめながら、山頂からの眺望は圧巻。アクセスが良く、四季折々の自然が楽しめることから、知る人ぞ知る“絶景低山”として親しまれています。
今回ご紹介するのは、千苅ダムを起点に西大岩ヶ岳から大岩ヶ岳、東大岩ヶ岳、丸山湿原、風吹岩を巡る周回ルート。実際にゴールデンウィークに歩いた体験をもとに、見どころや注意点を交えてご紹介します。
「気軽に登れて、自然も景色も満喫したい」という方にぴったりのコースです。

目次

大岩ヶ岳の基本情報とアクセス

大岩ヶ岳(おおいわがたけ)は、兵庫県神戸市北区と宝塚市にまたがる標高384メートルの低山です。標高こそ控えめですが、山頂からは六甲山系の稜線や神戸市街地、天気が良ければ大阪方面までを一望できる絶景が広がります。登山道のバリエーションが豊富で、初心者から中級者まで楽しめる山として知られています。

最寄り駅はJR福知山線の「道場駅」。駅から登山口までは徒歩25分ほどとアクセスも良く、公共交通機関での登山にも適しています。駅から歩くルートのほかに、車でアクセスする場合は「千苅ダム駐車場」を起点にするのが一般的です。この駐車場は約20台ほどが停められ、筆者が訪れたゴールデンウィーク中でも比較的空いており、混雑のストレスなく登山をスタートできました。

大岩ヶ岳は季節を問わず登れる山ですが、春や秋の気候が安定した時期には特に人気があります。とはいえ、六甲山や摩耶山の主要ルートと比べると登山者は少ないので、静かな自然を楽しみたい人にはぴったりの“穴場的存在”です。

実際に歩いた周回ルート(モデルコース紹介)

今回紹介するのは、千苅ダム駐車場を起点とした約9kmの周回ルートです。アップダウンはあるものの、全体的に道はよく整備されており、初心者でも安心して歩けるコースとなっています。筆者はこのルートをゴールデンウィークに歩きましたが、登山者は少なめで、静かな山歩きを楽しむことができました。

区間距離目安所要時間見どころ
千苅ダム〜西大岩ヶ岳約2.5km約90分クサリ場・静かな尾根道
西大岩ヶ岳〜大岩ヶ岳約0.3km約15分パノラマ展望
大岩ヶ岳〜東大岩ヶ岳約0.7km約20分ハート湖ビュー
東大岩ヶ岳〜丸山湿原約2.0km約60分馬の背・湿原の木道
丸山湿原〜風吹岩〜下山約3.5km約70分展望地・静かな林道

登山口は千苅ダムの堰堤を渡った先にあり、そこからまず西大岩ヶ岳へ登ります。西大岩ヶ岳からは少し急登があるものの、やがて主峰・大岩ヶ岳に到着。山頂からの展望は素晴らしく、思わず足を止めて深呼吸したくなるような開放感があります。

さらに東大岩ヶ岳を経由し、「馬の背」と呼ばれる尾根に足を伸ばし、その後、丸山湿原へ。木道の整備された湿原では、春から初夏にかけて草花が楽しめます。最後は風吹岩を経て千苅ダムへと戻る、変化に富んだ満足度の高い周回ルートです。

次の章では、このコースの見どころを順を追って詳しく紹介します。

見どころ紹介(順路に沿って)

この周回ルートは、低山ながらも変化に富んだ景観が楽しめるのが魅力です。ここでは、実際に歩いた順に沿って、印象的だったポイントをご紹介します。

千苅ダム:登山前に立ち寄りたい“大岩ヶ岳”の玄関口

登山のスタート地点に位置する千苅ダムは、大正時代に建設された歴史ある重力式コンクリートダム。堰堤の上を歩いて渡ることができます。放水される時期は決まっており、神戸市が洪水期(6月~10月)に本堤のゲートを開けて、貯水位を常時満水位から1.5m低下(洪水期制限水位)させて運用している。

西大岩ヶ岳:クサリ場を超えて静かなピークへ

登山口からしばらく進むと、西大岩ヶ岳へと続く分岐があります。途中には簡易なクサリ場があり、ちょっとしたスリルを感じながら登ることができますが、難易度は高くなく、初心者でも問題ありません。ピーク付近は木々に囲まれていますが、ところどころで展望が開け、歩いていて気持ちの良い区間です。

大岩ヶ岳山頂:360度の大展望

コース中でもっとも印象に残ったのが、大岩ヶ岳の山頂です。標高384mとは思えないほどの開放感で、晴れていれば六甲の山並みや神戸の街並み、大阪方面まで遠望することができます。広々とした山頂は休憩にもぴったりで、お弁当を広げる登山者の姿もちらほら。筆者もここでしばし足を止め、景色を満喫しました。

東大岩ヶ岳:千苅ダムの“ハート湖”ビュースポット

大岩ヶ岳から尾根道を少し進むと、東大岩ヶ岳に到着します。ここから見下ろす千苅ダムの湖面は、角度によってハート形に見えることで密かな人気スポットに。写真好きな方やSNS映えを狙いたい人にとっても、ぜひ立ち寄りたいポイントです。

丸山湿原:木道が導く静寂の森

天然記念物エリアの丸山湿原。人工的に整備された湿原エリアではありますが、木道が敷かれており、自然の中を静かに歩くことができます。筆者が訪れた際はまだ早い時期でしたが、夏には「サギソウ」と呼ばれる白く繊細な花が咲くことで知られています。その名の通り白鷺が羽ばたく姿に似た形をしており、湿原の静けさと相まって幻想的な雰囲気を演出します。植物観察が好きな方には特におすすめの場所です。

風吹岩:静かな展望スポットで締めくくり

丸山湿原を抜けて最後の上りを少し進むと、風吹岩に到着します。ここは広くはないものの視界が開けており、大岩ヶ岳ほどの高さはないながらも、再び展望を楽しめるポイントです。筆者が訪れたときは他の登山者の姿もなく、風の音だけが心地よく響く静かな場所でした。人混みのない山歩きの締めくくりにふさわしい、印象的な風景が広がっていました。

登山に適した時期と注意点

大岩ヶ岳は標高384mと比較的低いため、通年を通して登ることができます。特別な装備も必要なく、登山初心者にもおすすめの山ですが、季節によって表情が大きく変わるのも魅力のひとつです。

春(3〜5月)

新緑がまぶしく、気温も安定しており、虫の少ない快適な山歩きができます。筆者がゴールデンウィークに訪れた際も、混雑は少なく、静かな山歩きを満喫できました。

夏(6〜9月)

夏は蒸し暑く、虫も多くなるため、虫よけ対策や水分補給が重要になります。ただし、丸山湿原では7月下旬〜8月頃に「サギソウ」と呼ばれる白く美しい湿地植物が咲き、訪れる楽しみのひとつになります。サギが羽ばたくような花姿は幻想的で、夏ならではの見どころです。

秋(10〜11月)

秋には、山全体が紅葉に彩られ、見晴らしの良い大岩ヶ岳山頂や風吹岩からの景色も格別です。空気が澄んで遠望もきくため、カメラを持ってのんびりと登るのにも最適な季節です。

冬(12〜2月)

冬は積雪こそほとんどありませんが、朝夕は凍結する箇所もあるため、滑りにくい靴や軽アイゼンを用意すると安心です。木々が葉を落とすことで、普段は見えにくい景色が見渡せるという楽しみもあります。

まとめ|静かで満足度の高い“穴場の山”

大岩ヶ岳が“穴場の低山”としておすすめな理由

  • 山頂からの360度パノラマ
  • アクセス良好(道場駅から歩ける)
  • 人が少なく静か(GWでも混雑なし)
  • 湿原やハート湖など景観のバリエーションが豊富
  • 約4時間の周回で満足度が高い

大岩ヶ岳は、標高384mという手軽さながら、山頂からの雄大な眺望や、ハート形に見える千苅ダム、丸山湿原の静寂など、多彩な自然の魅力にあふれた山です。

今回ご紹介した周回ルートは、変化に富んだ地形と静かな山道が特徴で、混雑を避けつつ自然を満喫したい方にぴったり。筆者が訪れたゴールデンウィークでも人は少なく、静けさと開放感を同時に味わえる、まさに“穴場の低山”でした。

西大岩ヶ岳の軽いクサリ場、大岩ヶ岳からのパノラマ、東大岩ヶ岳から望むハート湖、そして丸山湿原や風吹岩といった見どころが次々に現れるこのコースは、初めて訪れる方にも満足度の高い登山体験を提供してくれます。

神戸市内や大阪からのアクセスも良く、日帰りで手軽に登れる自然スポットとして、ぜひ一度歩いてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

関西の山を中心に登山をしております。

今まで登った山は
富士山、奥穂高岳、槍ヶ岳、石鎚山、剣山
大台ヶ原山、伊吹山、八経ヶ岳、etc…

主に関西の山の情報や本などから得た知見を当サイトと
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