近畿地方で人気の登山スポットでテント場としても有名な八雲ヶ原へ行ってきましたので、その際のアクセスやルートを解説し、必要なアイテムもあわせて紹介します。
「八雲ヶ原」とはどんな場所?
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近畿地方にはめずらしい高層湿原帯で、周囲の山より集結した水がここに集まります。
ミズゴケの層と砂の層が交互に重なり、過去何千万年の間に時には乾燥した砂原となり、時には湿原になるといった循環がおこなわれている場所です。
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広々としたフラットな地面にテントを張れるという場所は近畿圏に多くないため、条件の優れた八雲ヶ原はたいへん人気のテント場です。
- トイレがない
- 飲み水が確保できない
という事は理解しないといけませんが、それを差し引いても登山難易度も高くなく、比良山系で最高峰の武奈ヶ岳山頂も近いという点でテント泊初心者にもオススメできるスポットです。
八雲ヶ原へのアクセス
公共交通機関でのアクセス
公共交通機関で八雲ヶ原、武奈ヶ岳へアクセスするなら
・比良駅から江若(こうじゃく)バスで比良イン谷口まで
・堅田駅から江若バスで坊村バス停まで
・出町柳駅から京都バスで坊村バス停まで
が、一般的ですが
今回わたしは北小松駅から歩いて入山し
ヤケ山、釈迦岳などを経て八雲ヶ原へ向かいました。
JR大阪駅ー北小松駅(新快速 湖西線経由敦賀行)
片道¥1,520
ちなみに各駅からのバスは平日は運行しておらず
土日祝のみとなります。
加えて本数が少ないので、しっかりと下調べをしてから向かいましょう。
※いずれも冬は運行していません
自家用車でのアクセス
自家用車でアクセスするなら以下3つの駐車場が利用できます。
▼武奈ヶ岳イン谷口駐車場▼
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▼葛川市民センター駐車場▼
▼北小松登山口駐車場▼
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タイムスケジュール
今回想定していたコースは
1日目に北小松駅から八雲ヶ原へ行きテント泊
2日目武奈ヶ岳でご来光、からの比良駅方面へ下山
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を考えていました。
しかしながら、1日目の夜から小雨が降り
2日目の朝はドンヨリした天気、いつ雨が降ってもおかしくない状況でした。
それを考慮して2日目は武奈ヶ岳山頂へは行かず
陽が出るとすぐにテントをたたみ下山しました。
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▼1日目▼
▼2日目▼
トイレの有無
登山ルートにトイレはありますが、駅以外だと
・北小松登山口の手前
・武奈ヶ岳イン谷口駐車場前
になります。
八雲ヶ原や武奈ヶ岳山頂にはないので、心づもりして登山に向かいましょう。
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ルート解説
【Day.1】北小松駅からヤケ山
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大阪駅から敦賀行きの新快速に乗れば1時間ほどで北小松駅に到着です。
雲一つない晴天の中、八雲ヶ原に向けて出発。
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まずは北小松登山口を目指します。
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なだらかな登り道を進みます。
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「比良げんき村」の横を通り過ぎます。
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看板にある「楊梅の滝」の方面へ進めばOK
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ベンチと簡易のマップがあるので、一呼吸しながら行き先を確認します。
事前情報で確認済みでしたが、真っすぐ楊梅の滝には行けそうにないので迂回路を通り進みます。
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遠目に楊梅滝が見えます。
しっかりと落差のある滝のようです。
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進行方向は涼峠方面ですが、せっかく近くまで来たので楊梅の滝に少し寄り道します。
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先客が数名いらっしゃいました。
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県下一の落差を誇る滝
雄滝、薬研の滝、雌滝の3段にわかれ、落差は雄滝40m、薬研の滝21m、雌滝15mほど
室町幕府第十三代将軍”足利義輝”によって名付けられたと伝えられている
今回は雄滝しか見ることができませんでしたが
40mの落差だけあって、かなり迫力ある雰囲気でした。
猛暑日を忘れさせるくらい滝の周りはヒンヤリしていて気持ちがいい。
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滝から少し戻り涼峠方面へ向かいます。
しばらくすると分かれ道。
ヤケ山ヘ向けて進みます。
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ヤケ山は周りが木々に囲まれているので、展望はまぁまぁです。
看板に従って、釈迦岳、武奈ヶ岳方面へ。
【Day.1】ヤケ山から八雲ヶ原
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ヤケ山を出てしばらく歩くと、登りが続きます。
200mほどを一気に登っていきますので根気が必要。
加えて尾根を歩くので日差しをガッツリと受けます。
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日差しがきつく暑くて溜まりませんが、幸い景色は良いので琵琶湖を眺めて癒されながら一歩一歩進みます。
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トンボが逃げずに写真におさまってくれました。
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目の前に見えるはヤケオ山、似たような名前の山が点在していますね。
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ヤケオ山までやって来ました。
こちらも日差しに照らされているので長い休憩は取りづらいそうです。
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次は釈迦岳(標高1,060m)を目指します。
今回は武奈ヶ岳へ行くことができなかったので
ルート上では釈迦岳がピークとなります。
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道幅狭し。
できる限り山側を歩きましょう。
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ヤケオ山から30分ほどで釈迦岳に到着。
こちらは開けていますし、影もあるのでゆっくり休めそうです。
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来た道を真っすぐ進むとルートを外れるので右側へ進みます。
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カラ岳にあるアンテナ基地?的な場所を通ります。
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写真では伝わりづらいですが、かなり足場が狭い箇所があります。
片足がギリギリ乗るくらいの幅しかありませんので注意が必要です。
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八雲ヶ原が近づいてきました。
看板が出ているこの辺りもフラットな地面でテントを張りやすそうな場所です。
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ここを下れば本日の宿泊地です。
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近畿で人気のテント場”八雲ヶ原”へ到着です。
何度かこの場所を訪れたことはありますが、テント泊は初めてなのでテンション上がりますね。
遠目ではオシャレそうな木の足場も近くで見るとボロボロです。
いまにも壊れそうなほど、、、
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池と表現するのか沼と表現するのかわかりませんが、その中にはたくさんのイモリの姿が。
アカハライモリという名のイモリだそうで、その名の通りお腹が赤いのが特徴です。
刺激的な赤色が示すように、フグと同じタイプの毒を持っているそう。
決して食べてはいけません(笑)
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この日のテントの数はおよそ15張ほどだったでしょうか。
土曜日でこの数なので、平日であればほぼ独占状態になりそうです。
私はおそらくこの日最後に八雲ヶ原に着いたので、ベストポジションは取れませんでしたが、早くに着けば木陰になった場所を抑えれそうです。
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夕日に照らされる私の新幕
SEA TO SUMMIT「テロスTR2プラステント」
広々としたテントで快適。
今回の登山の一番の目的は新幕の試し張りでしたので、それができてとりあえずは満足です。
この後、陽が落ち夜になると星がキレイに見えましたが、徐々に雲がかかって小雨がポツポツ。
【Day.2】八雲ヶ原から比良駅
朝からドンヨリした天気です。
小雨が降ったりやんだり、、、
空の雰囲気を見る限りこの後晴れそうにはなかったので、武奈ヶ岳山頂で日の出を見るという野望は捨て下山します。
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他のみなさんがテントを撤収している中、お先に出発します。
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金糞峠は通りませんが、とりあえずは金糞峠方面へ進みます。
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イモリが朝のお散歩中のようです。
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分岐に差し掛かりましたが、北比良峠から下山した方が早そうなのでそちらへ進みます。
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北比良峠。
ガスガスで当たりの景色は見えませんが、開けているのでテントも張れそうな場所です。
風の影響は受けそうですが、、、
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看板の後ろの道を進みます。
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分かれ道ですが、左は地図上で難路の表示があるので
右側の方が良いでしょう。
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少し道幅が狭いので注意。
この辺りから雨が強く降りつけてきます。
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カモシカ台。
写真には写っていませんが大雨が降っています。
レインウェアもガッツリ着てなんとか耐え忍びながら歩きます。
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川が見えてきました。
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水の勢いが強く少し増水してるようでした。
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大山口まで下ってきました。
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道なりに進んでいくとイン谷口駐車場。
天気が悪かったので登ってくる人は流石にいないようでした。
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駐車場からさらに進むと登山届提出所。
こちらから登る場合はここで提出してから登りましょう。
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バスで比良駅まで帰ることはできますが、朝早すぎて2時間ほど待つ必要が、、
雨は降っていますが待っているよりはマシだろうと思い
比良駅まで歩いていくことにします。
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看板通りまっすぐ進むと161号線へ出ます。
高架をくぐり比良駅へ。
この辺りはグーグルマップが使えますので、道がわかりづらければグーグル大先生に教えてもらいましょう。
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振り返って比良山系を眺めると、雲がかかって幻想的な雰囲気です。
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比良駅の高架下になぜかヤギが生息。
なぜこんなところにいるのでしょうか?
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比良駅に到着。
駅に着くころには雨も上がりました。あるあるですね。
はじめての八雲ヶ原テント泊で雨が降ったのは残念でしたが無事下山できましたのでOKでしょう。
八雲ヶ原には水場がないので無雪期は多めに水を持ってくる必要があります。
そのため荷物の量は増えますが、テントは張りやすく、人も多すぎないため環境の良いテント場と言ってよいでしょう。
多くの先人たちも言うように八雲ヶ原は初心者向きのテント場だと思います。
近畿圏でテント泊を始めたいと考えている人は八雲ヶ原でデビューしてみると良いでしょう。
テント泊の持ち物
八雲ヶ原でのテント泊登山で使用したアイテムをご紹介します。
▼登山マップ▼
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マップは必ず持参しましょう。
▼テント▼
広々とした快適性に優れるテントです。
▼グランドシート▼
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テントを長持ちせるために。
▼エマージェンシーシート▼
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八雲ヶ原は標高900mほどで風の影響も少ない。
そのため夏は寝袋の代わりにエマージェンシーシートで大丈夫そう。
▼ヘッドライト▼
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宿泊の際は必須アイテム。
▼ウォーターキャリー▼
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ペットボトルではコンパクトに畳めないので。
▼バーナー▼
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火力が強く安定しているので使いやすい。
▼モバイルバッテリー▼
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スマホで登山アプリや、撮影を行うなら持ち歩きましょう。
▼私が使っているアイテム一覧▼
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