2022年7月下旬、大阪から九州の「くじゅう連山」へテント泊登山へ行ってきました。
その際のアクセス方法やルート情報を共有しますので、参考にしていただければと思います。
近畿圏から長者原までのアクセス
近畿からくじゅう連山へアクセスする場合、主には
・自家用車
・新幹線
・高速バス
・フェリー
以上の交通アクセスになります。
今回は時間はかかりますが船内で睡眠ができ、低価格で行くことのできるフェリーを選びました。
その際のアクセス方法をお伝えします。
神戸から大分までフェリー「さんふらわあ号」で
公共交通機関を使って「神戸港六甲ターミナル」へ向かう場合は、六甲ライナーを使い「アイランド北口」駅から無料のバスに乗車。
もしくは阪神御影駅、阪急御影駅、JR住吉駅からバスに乗り向かいます。
こちらの駅からはバスの乗車料金が大人230円かかります。
【乗船時間】
日曜ー木曜…19:00発→06:20着
金曜、土曜…19:50発→07:20着
最安値の「ツーリスト」クラス。
場所の指定はされているため自由に雑魚寝という訳ではありません。
カーテンは寝転んだ時に上半身部分しか隠れませんので最低限のプライバシーは守れるといった感じ。
とはいえ片道7,720円(時期による)で大分まで運んでくれますから満足です。
マットも枕もあるので普通に寝れます。
WEB予約をすると10%OFFになるので活用しましょう。
また、復路割引もあるので帰りはさらに安くなります。
今回、フェリーに乗って正解だと感じた最大の点が”食事”です。
夕食1,500円、朝食620円でバイキング形式の食事を頂けました。
料理のクオリティも高く、かなりコスパの良いバイキングです。
ひつまぶし、カレー、刺身、揚げ物、デザートまであって至れり尽くせり。
ただし食事も時期によって違うかもしれませんのでご理解を。
神戸港を出発して1時間ほどで「明石海峡大橋」の下をくぐります。
橋を渡ることはあっても、くぐったことは無かったので貴重な経験ができました。
夜が明け大分港へ到着。
ここからは車移動です。
公共交通機関で登山口の長者原へ向かうには別府駅もしくは由布院駅まで移動する必要があります。
※フェリーの金額や発着時間は2022年7月時点での情報です。
大分駅から長者原まで
長者原ビジターセンターを目指し、車を走らせます。
途中で24時間営業のマックスバリュがあったので、そちらで食料を購入。
1時間30分ほどで「長者原ビジターセンター」へ。
駐車場は広く450台ほど停めることができます。
しかも駐車料金無料と太っ腹の対応。
大阪南港から別府行きのフェリーもあり
近畿圏からフェリーで「くじゅう連山」へ行く場合「神戸ー大分」と「大阪南港ー別府」の2パターンがあります。
別府からの方が今回の登山口まで少し近いので、そちらを選択するのもアリだと思います。
トイレの有無と電波状況
【トイレ】
・長者原ビジターセンター
・坊ガツル
・法華院温泉
・久住分かれ避難小屋
にて確認。
【電波】
格安SIM「LINEMO」を使用
山頂などの標高の高いところでは4G回線が届きましたが
宿泊地の坊ガツルや法華院温泉では電波なし。
友人は楽天モバイル(au回線)を使用
坊ガツルや法華院温泉をはじめ、LINEMOでは届かなかった場所でも4G回線が届いていました。
ルート解説
今回歩いたルートは以下のマップの通りです。
1日目は長者原からテント場である坊ガツルまで歩き「平治岳」へアタック。
坊ガツルまで戻ってきて夜を明かします。
2日目は坊ガツルを出発し、「天狗ヶ城・中岳・久住山」へアタックし、諏蛾守越から下山するという流れです。
詳しく解説していきます。
【Day.1】長者原から雨ヶ池越
登山開始1日目のこの日は日曜日。
450台停めることができるとはいえ、登山口近くの駐車スペースはいっぱいです。
信号を挟んだ向かい側のスペースに停め、いざ出発です。
写真の右手にはモンベルがあります!
不足してる装備があるなら買い足してから行くこともできますね。
木道がオシャレで観光客で大変賑わっていました。
この辺りの広大な湿原は「タデ原湿原」と呼ばれ、毎年春に野焼きをすることによって環境を維持しているそうです。
看板に従い宿泊地の「坊ガツル」へ向かいます。
岩に付いた苔が良い雰囲気を演出しています。
ちょうど子どもたちが夏休みに入ったころだったようで、小さなお子様連れの家族も何組かいて、楽しそうな様子が伝わってきました。
坊ガツルまでだったら十分子どもでも歩けそうな道のりです。
雨ヶ池越にやって来ました。
長い木道が続いていて、いかにも写真映えしそうな場所。
降雨時にはこの木道が見えるくらいで、辺り一面水に浸かることもあるようです。
【Day.1】雨ヶ池越から坊ガツル
ぬかるみを歩きます。
私はもっぱらローカットシューズを履いているのですが、こういった場合は慎重に歩かねば悲惨なことになります。
石畳の道を進みます。
目の前には大きく広がった草原が。
想像していたよりも坊ガツルは広い!
キャンプ地の近くに川が流れているので水には困らない。
地層がキレイに分かれているのが印象的です。
坊ガツルにあるトイレです。
決して衛生的ではありませんが使えます。
衛生面が気になる方は「法華院温泉」にもトイレがあるので、そちらを利用すると良いかもしれません。
炊事棟です。
水道の蛇口もあり、炭で火おこしもおこなえそうでした。
至れり尽くせりですね。
トレランの方は普通に蛇口の水を飲んでいました。
ここで汲むことを想定して、多くの水を担いでくる必要はないでしょう。
避難小屋もあります。
コンクリート造でキレイな避難小屋です。
”緊急時のみの利用”と注意書きがありましたので
基本的にはテントでの寝泊まりになります。
【Day.1】法華院温泉と平治岳アタック
平治岳へのアタック前に休憩がてら法華院温泉へ。
自動販売機や売店、談話室などがあるので疲れた身体を癒すことができます。
時代を感じさせるギアの数々。
どれもこれも渋いですね。
リュックもいい感じ。
汗や水分吸いまくってめちゃくちゃ重くなりそうです。
この後すぐに平治岳へ向かおうとしましたが、雨雲レーダーを見ると雨が降りそうな感じだったので、しばらく休憩してから出発します。
雨雲レーダーの予想通り、一雨ありました。
以降は降らなさそうだったのでアタックします。
大戸越からは”上り”と”下り”の道が分かれます。
上り迂回路はほとんど藪漕ぎ状態でとても歩きづらい。
雨の跡という事もあってズボンはびちゃびちゃです。
雲の切れ目から指す光が神々しい。
先ほどまでの雨が嘘のようです。
標高1,643m
くじゅうの山々でもっとも”ミヤマキリシマ”がキレイに咲く山。
見ごろは5月末~6月上旬
坊ガツルから1時間30分ほどで平治岳山頂に到着。
ミヤマキリシマが咲く季節に来ていれば人が多かったんでしょうが、この日は自分一人だけ。
雲が切れて坊ガツルやどこかの町の様子も見ることができました。
全国的に見て、標高がとても高い山ではありませんが眺めは一級品。
日本アルプスの山々と比べても引けを取りません。
平治岳から下山してきたので夕食タイム。
今回はフェリーでの移動ですので、船内にガス缶を持ち込めませんでした。
ですので、現地で容易に入手できるカセットボンベ缶で火が起こせるSOTOのST-310を持参しました。
▼私が使っているアイテム一覧▼
夜は満天の星空。
噂には聞いていましたが本当に美しい光景でした。
何時間でも観ていられます。
夜景観賞が終わったら就寝。
【Day.2】坊ガツルから久住分かれ
あいにくの天気です。雨が降らないうちにテントをたたみます。
ゆっくり休んで7時30分ごろに出発。
法華院温泉まで行き、そこからアスファルト道を進みます。
左側の鉾立峠からでもアクセス可能です。
土砂崩れあと。
一見、落書きのような黄色いペイントに従い進みます。
大きく開けた場所に出ました。
しばらく平坦道を歩きます。
北千里ヶ浜。
下山する時に戻ってきますが、いまは久住分かれへ。
透き通った川が流れています。
平坦道は終わり登っていきます。
道に迷う人が多いのか、目印多すぎるような、、、
久住分かれ。
ガッスガスで辺り一面何にも見えません。
雨雲も迫っているようなので、避難小屋で休憩します。
【Day.2】天狗ヶ城・中岳・久住山アタック
ひと雨降り、雨雲が通過したので出発します。
まずは天狗ヶ城。
ガスったり晴れたりと難しい天気です。
写真奥には中岳の山頂。
天狗ヶ城、中岳に囲まれた御池です。
標高は1,600mほどでしょうか?
そんなところにこれだけの池が存在しているのは神秘的です。
近くで池を見ると、水が透き通っていて綺麗です。
標高1,791m
九州本土では最高峰。
中岳山頂からは坊ガツルが見えました。
テントが小粒のように見えます。
こう見ると良く歩いたなーと感慨深いものもあります。
石を積み上げて作られた避難小屋。
今までのものと比べると簡素な作りです。
遠くに湯気?のようなものがあります。
温泉でも湧いているのかな?
ラストは久住山。
ゴロゴロした岩場を歩き進みます。
標高1,786.5m
『日本百名山』にこの辺りの山域の総称”九重山”として数えられる
一般的には山群の総称を九重、最高峰を久住と呼んでいた
(いまは最高峰が中岳になっている)
最後のピーク「久住山」です。
私が山頂にいる間はガスがかかっておりキレイに周りを見渡すことができませんでしたが、晴れていれば眼下にキレイな景色が望めます。
こちらでお昼休憩をとっていると大量のアブっぽい虫に囲まれました。
少し下ってから休憩を入れる方が良さそうです。
【Day.2】久住分かれから長者原ビジターセンター
久住分かれまで戻り、さらに北千里ヶ浜まで戻ります。
行きはガスで見えなかったのが噓のように晴れましたね。
諏蛾守越。
どこか古代遺跡感のある建造物がありました。
右手にある鐘は鳴らすことができます。
逆側を見れば三俣山へのアプローチ道もありましたが、時間的に余裕がないため長者原を目指し歩きます。
目印を辿りながら歩くと舗装された道路へ。
真っすぐ舗装された道路を進んでもゴールへは着きますが、右に折れショートカットします。
もうすぐゴールというところ。
川が硫黄の関係か赤みがかっています。
八ヶ岳連峰の赤岳鉱泉もこのような感じの場所がありました。
坊ガツルを出発してから7時間30分。長者原へ到着です。
登山口には食事処や足湯があるので回復がてらゆっくりするのも良いでしょう。
今回は九州屈指の人気登山スポット「くじゅう連山」へ挑戦しました。
長者原から坊ガツルであれば、特に難所もなく体力に自信のない方やお子さまでも十分にアクセス可能だと感じました。
それに、坊ガツルのキャンプ場にはトイレもあり水にも困らないので、テント泊のデビュー戦にもってこいの場所だといえます。
夜空もキレイですしね。
ただしそれよりも先に進む場合は、体力や経験が必要になってきますので、玄人の方とともに行くことをオススメします。
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