鈴鹿山脈に連なる藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、雨乞岳、御在所岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳の7座を総称して”鈴鹿セブンマウンテン”と呼びます。
今回はそのうち藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳を1泊2日で縦走してきましたので記事にまとめます。
藤原岳登山口へのアクセス
私が大阪住みですので大阪から藤原岳登山口へのアクセスを記しておきます。
車でのアクセス
阪神高速、新名神高速に乗り三重方面へ。
大安ICで降りて国道365号線で藤原岳登山口まで。
公共交通機関でのアクセス
藤原岳登山口は三岐鉄道「西藤原駅」の近くなので電車によるアクセスが可能です。
大阪からであればJR、近鉄特急を乗り継いで「近鉄富田駅」へ行き
三岐鉄道に乗り換え終点の「西藤原駅」まで。
押さえておきたいポイント
藤原岳から釈迦ヶ岳までの行程について
今回は結果的に鈴鹿セブンマウンテンの3座
藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳を1泊2日で歩くことになりましたが
可能であればセブンマウンテンを踏破するつもりでした。
しかしながら、1日目の午前中で「これは無理だ」と感じ予定変更。
舐めていました。
ネットで先人たちのログを確認はしていて1泊2日だと
時間に余裕がない事は理解していました。
ですが”自分ならなんとかなるか”と高を括って先人たちより1時間半ほど遅めに出発。
一向にタイムが縮まりません。むしろ遅いくらいでセブンマウンテン踏破は諦めました。
反省です。
ちなみに私のスペックは
・30代前半の男
・やせ型
・フルマラソン完走経験あり(サブ4)
わりと登山向きのスペックではあると思いますが力及ばず。
再チャレンジする未来の自分と、これから鈴鹿セブンマウンテンに挑戦する方に
私と同じ失敗をしてほしくないので今回の山行をシェアしておきます。
縦走路がわかりづらい
藤原岳や、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳を単体で登るなら山道で迷うことはあまりないかもしれませんが
縦走路は目印が認識しづらかったり、道も整備されていないような箇所がありましたので
地図やGPSは必ず持参しましょう。
そして初めて行く場合は縦走路を歩いたことがある人に引率をお願いした方が良いと思います。
実際に私も含め、道を外れて歩いている人が多くいましたので注意が必要です。
スマホの電波は繋がる?
★回線状況(2022年5月時点)
トイレの有無
今回の道中でトイレは2ヶ所。
・藤原岳登山口
・藤原岳山荘
のみとなります。
ルート解説
ここから私が通ったルートについて解説していきます。
2022年5月時点での情報となりますのでご理解いただければ幸いです。
1日目は藤原岳登山口に車を停めテント場がある石榑峠まで歩きます。
【Day.1】藤原岳登山口から藤原岳まで
▼1日目タイムスケジュール▼
6:26…藤原岳登山口スタート
8:29…藤原山荘
8:56…藤原岳山頂
10:19…迷い尾根
10:35…治田峠
11:24…銚子岳山頂
12:54…静ヶ岳山頂
14:00…竜ヶ岳山頂
14:42…重ね岩
15:15…石榑峠
15:24…テント場
藤原岳登山口の様子です。駐車スペースは30台ほどでしょうか。
土曜日の朝にやって来ましたが、早朝だと駐車スペースに空きがある様子。
車中泊をしている方もいたようです。想定通りの時間に出発したいのなら車中泊が良いかもしれません。
私は5時に出発しようと予定を立てていましたが、なんだかんだで1時間以上出遅れてしまいました。
靴洗い場があるので冬場には活躍してくれそうです。
鳥居をくぐり登山スタート。
登山届の提出もお忘れなく。
西藤原駅の近くで言うと、「大貝戸道」と「聖宝寺道」という登山ルートがありますが
こちらは「大貝戸道」です。
西藤原駅から藤原岳への道は地図上だと近く見えますが、しっかりと登って標高を上げていくことになります。
物音がしたので振り向くとお猿発見。
獲物を狙っているような素振りを見せていました。
4号目は少し開けていたので小休止には良いでしょう。
短時間で標高を上げたので疲れはしますが、ここまでの道は明瞭でわかりやすい。
振り向けば景色がキレイに見え始めました。
藤原山荘。
山荘とは言うものの実際のところ無人の避難小屋のようです。
スノーハイクでここまで来る方も多く、年間を通して人気の場所です。
ベンチがあるので少し休憩を取り歩を進めます。
ちなみに山荘が藤原岳の頂上ではなく、頂上はまだ先にあります。
トイレもあります。
とても清潔という訳ではありませんが、まぁ使えるかなといった感じでした。(男性用は)
奥に見える小高い丘が藤原岳の山頂となります。
「竜ヶ岳・展望台」を目指しますが、天狗岩も眺めが良いので行ってみたい。
ですが時間に余裕がないので今回は諦めます。
標高…1,140m
所在地…三重県いなべ市・滋賀県東近江市
鈴鹿国定公園の一部で日本三百名山及び関西百名山、花の百名山に選定されている。
藤原岳は南北にいくつかのピークを連ねる山々の総称で、展望丘のピークが頂上とされている。
標高がとても高い山という訳ではないですが周りに遮るものがなく素晴らしい眺望です。
登りの疲れが吹っ飛ぶくらいの景色。
ただ稜線は大きな木々がないので天気が悪い日は注意が必要です。
藤原岳の稜線を歩いているとイヌワシが近くを旋回していました。
迫力があるので見ものです。
【Day.1】藤原岳から竜ヶ岳
通る道ではないですが、山頂付近は岩(石灰岩かな?)だらけ。
次は治田峠(はったとうげ)を目指し一度下っていくのですが
斜面が急で滑りやすくなっています。
ゆっくり慎重に歩きましょう。
藤原岳から治田峠の手前にある迷尾根までの道が非常にわかりづらい。
木に括り付けてあるピンクの目印を探しながら歩いているのですが
気づいたら見失ったり、見えづらかったり。
目印がわからなくなったら一旦手前の目印に戻り
注意深く見渡して目標を確認してから進みましょう。
道も細くわかりづらいです。
おそらく写真左手の尾根伝いに正規のルートがあるのですが
先人の踏み後を辿ってくるとこの道へ出ます。
迷尾根の分岐。
三重県と滋賀県の県境でもあるようです。
治田峠へやって来ました。
ここからは鈴鹿セブンマウンテンの1つ竜ヶ岳を目指します。
看板通りに進んでいきます。
竜ヶ岳までに銚子岳と静ヶ岳の近くを通りますが
ルート的には頂上へ行く必要はないです。
むしろルートを少し外れますので、時間と相談して余裕があれば行くという感じで良いかと思います。
私はこの時点で鈴鹿セブンマウンテン制覇を諦めていましたので
2座ともに行くことにしました。
銚子岳は眺望はなし、木々の切れ間から見えるくらいでした。
静ヶ岳は少し開けていて気持ちの良い場所でした。
静ヶ岳からは竜ヶ岳を眺めることができます。
ルート横の大きな池を見ながら進みます。
見晴らしの良いところに出ました。
右へ行けば竜ヶ岳、左は宇賀渓方面へと下る道です。
写真中央が竜ヶ岳。
気持ちの良い稜線歩きを楽しみます。
標高…1,099m
所在地…三重県いなべ市・滋賀県東近江市
山頂は開放感にあふれ、360度遮るものがないので展望が素晴らしい。
鈴鹿セブンマウンテン「竜ヶ岳」の山頂。
大きく開けた場所になっており、菰野町やいなべ市を見渡しながらゆったりします。
地形の関係と、この日の天候によってなのか風がとても強く
軽いものなら飛ばされてしまいそうな威力がありました。
【Day.1】竜ヶ岳からテント場
16時ごろにはテントの設営を始めたかったので竜ヶ岳を後にし
本日の宿泊地を目指し下っていきます。
一部、崩落しているところがあるので迂回して進みます。
最高に気持ちの良いロケーション。
名残惜しいですがまた逢う日まで。
竜ヶ岳から少し下ると重ね岩。
自然に重なってできたのか?それとも人の手が加わっているのか?
不思議なものです。
海岸にありそうな白い砂。
これまた珍しい光景です。
そうこうしている間に道路が見えてきました。
元国道421号線だそうです。
石榑峠
以前は車で滋賀県と三重県を行き来できたそうですが
現在は柵が設けられており通行不可。
現在は登山客の駐車場となっています。
竜ヶ岳方面から下ってきて左手側に少し行ったところ。
今回のルートで唯一の水場です。
わかりづらいですが、写真奥に水が流れています。
そのまま飲めるという情報ですが、私はお腹が弱いので
水をろ過してから頂きます。
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水を汲んだら石榑峠へ戻り、立入禁止の柵を越えて道路を登っていきます。
立入禁止と書いていますが縦走路はこの道です。
テント場に付くと先客が。
名古屋から来た学生さんだそうです。
若いうちから登山とテント泊ができて羨ましい。
テントを立てて早めの夕食。
深夜2時に起きて行動していましたので、そろそろ活動限界です。
愛用のSOTOのウインドマスターでラーメンを作ります。
どうしても山行は炭水化物中心で栄養が偏るので、料理のレパートリーを増やさなくては。
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私のハイパーライトマウンテンギアのザックが夕日に映えますねー。
夜景もきれいに観れ最高のテント泊。
日が暮れるまでは風が強く吹いていましたが、深夜になると落ち着き快適に睡眠が取れました。
good night.
【Day.2】テント場から三池岳
2日目は石榑峠のテント場から釈迦ヶ岳を経て、田光バス停まで歩きます。
▼2日目タイムスケジュール▼
5:30…テント場スタート
7:09…三池岳山頂
7:30…八風峠
7:48…中峠
8:11…南峠
9:40…釈迦ヶ岳山頂
10:45…北山
12:03…八風キャンプ場
13:21…田光バス停
→近鉄四日市
→近鉄富田
→西藤原
朝日に照らされ、なんとも神々しい日の出。
山でしか味わえない贅沢なひと時です。
食事をとり、テントを撤収し先へ進みます。
低めの草木をかわしながら稜線を歩きます。
朝は気温が低く肌寒いですが、日が当たると丁度良い体感温度。
傾斜はロープも駆使して進みます。
ヤマツツジがきれいに咲いています。
今回の縦走路には一定の間隔で次の目的地までの距離が示されているのでありがたい。
標高…974m
所在地…三重県菰野町
竜ヶ岳と釈迦ヶ岳の間にある山で、目立った山ではないが眺望が良い。
本日1座目の三池岳。
ここだけびっくりするほど風が強く吹いており長居はできませんでした。
三池岳からの眺め。
寒かったですが景色は抜群でした。
【Day.2】三池岳から釈迦ヶ岳
三池岳から10分ほどで八風峠。
八風キャンプ場へ下る道や八風谷橋へ続く道があります。
写真映えする岩ポイント。
藤原岳や竜ヶ岳付近の景色も良かったですが、この辺りも非常に美しい光景が広がっています。
中峠
この辺りは峠が多いですね。
仙香山982m
山と高原地図のマップにも表記がないくらいの山です。
南峠を越え、1時間強で釈迦ヶ岳まで行くことができます。
かなり町が近づいてきました。
菰野町ですね。
標高…1.092m
所在地…三重県菰野町、滋賀県東近江市
鈴鹿セブンマウンテンの1つ。
鈴鹿山脈の中でも人気の山で、朝明ヒュッテ大駐車場からの登山ルートが人気。
今回の最後のピークである鈴鹿セブンマウンテン”釈迦ヶ岳”へやって来ました。
菰野町、四日市、伊勢湾がくっきりと見えます。
2日続けて晴れてくれて最高。
ここから下界へと下っていきます。
来た道を少し戻り、岩ヶ峰尾根を下っていきます。
【Day.2】釈迦ヶ岳から田光バス停
山と高原地図のマップには難路の表記がありませんでしたが
急なくだりもありましたし、細い道もありました。
気を付けながら下っていきます。
途中、北山を通ります。
1時間30分くらい下って杉林にでると川に合流。
日が高くなり気温も上昇して暑くなっていたので水浴び。
あまりに川がキレイだったので年甲斐もなく川ではしゃいでしまいました。
オタマジャクシもたくさんいましたよ。
川から少し歩くと、八風キャンプ場へ。
天気が良く、休日ということもあってキャンプ場は賑わっていました。
あとは舗装された道を歩き田光バス停へ向かいます。
振り返れば鈴鹿の山々が。
田舎の広くて静かな雰囲気がたまりませんね。
キャンプ場から1時間ほどで田光の交差点へ。
バス停は写真奥です。
四日市方面バス時刻表(2022年5月時点)
71四日市福王山線 JR四日市方面 | |
---|---|
06 | 01、43 |
07 | 23 |
08 | 17 |
09 | 17 |
11 | 17 |
13 | 17 |
15 | 17 |
17 | 17 |
18 | 17 |
バスの本数が少ないため時間の調整が難しいですね。
バスに乗って近鉄四日市駅まで行き
→近鉄富田
→西藤原
と乗り継げば昨日車を停めた藤原岳登山口まで戻ることができます。
エクストラステージ
田光バス停からバスと電車を乗り継ぎ西藤原駅まで行く方法を解説しましたが
私は時間がうまく合わず、待つのも嫌だったので
田光バス停からさらに歩き梅戸井駅を目指すことにしました。
プラスすることさらに1時間
距離にすると5.4kmほどになります。
梅戸井駅であれば西藤原駅と同じ三岐鉄道ですので乗換不要。
バスで四日市まで出ると結局時間がかかるので歩きました。
ローカル鉄道って味があって素敵ですよね。
鉄道ファンという訳ではないですが、とても魅力的に感じます。
しかも切符が硬い!
”硬券”と呼ばれるものだそうです。はじめて触りました。
記念に取っておきたかったですが西藤原駅で渡さなければいけないようでしたので泣く泣く手放しました。
そしてそして、、
西藤原駅のつくりがとっても可愛い。
遊びに来ていた子どもたちがキラキラした目で見ていたのが印象的でした。
登山ルート近くのおすすめスポット
アクアイグニス片岡温泉
湯の山温泉駅の近くにある「癒し」と「食」をテーマにした複合温泉リゾート施設。
疲れた身体を癒しに上質な温泉へ。
神経痛や筋肉痛に効能があるため登山後にはうってつけです。
宿泊施設もあるので時間があるならぜひ立ち寄りたい施設です。
▼Access▼
・三重県三重郡菰野町菰野4800-1
フォレストアドベンチャー湯の山
子どもから大人まで楽しめるアウトドアパーク。
自然の中で仲間とともにスリルや爽快感を味わって思い出作りにいかがでしょうか。
湯の山温泉駅から550mの好立地です。
▼Access▼
・三重県三重郡菰野町菰野4958
▼私が使用しているギアはこちら▼
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