2023年5月下旬に稲村ヶ岳と山上ヶ岳へ登山に行ってきました。
また山上ヶ岳から南東にある小笹の宿でテント泊もしてきましたので、その際のルートガイドと持っていった装備、あると便利な装備をご紹介します。
稲村ケ岳と山上ヶ岳ってどんな山?
まずは稲村ヶ岳と山上ヶ岳がどのような山なのかを説明します。
稲村ケ岳
標高:1,726m
所在地:奈良県吉野郡天川村
稲村ヶ岳は関西百名山の一つで、「女人大峯」や「稲邑ヶ岳」とも記されています。
尾根伝いの北東に山上ヶ岳、東に大普賢岳、南東に行者還岳、南に弥山・八経ヶ岳、西に観音峯、北に大天井ヶ岳があり、山頂展望台から各ピークを望むことができます。
天候が整えば奈良盆地や生駒山、金剛山、額井岳、釈迦ヶ岳などを遠望できます。
山頂部は北の大日山と南の稲村ヶ岳からなり、大日山と稲村ヶ岳の間には鋭いキレットがあり、西側の谷へと落ち込む断崖になっています
山上ヶ岳
標高:1,719m
所在地:奈良県吉野郡天川村周辺
山上ヶ岳は修験道の祖、役行者によって開かれ、日本の修験道発祥の地とされており、「鐘掛岩」や「西ノ覗」といった修行場が有名です。
さらには山頂には国重要文化財であり、世界遺産でもある「大峰山寺」や宿坊があります。
また、山頂からは稲村ヶ岳や大峯奥駈道、弥山、八経ヶ岳を見渡すことができます。
山上ヶ岳の麓には女人結界門があり、いまなお女人禁制の山となっています。
よくある質問として、山上ヶ岳=大峰山?と聞かれることがあります。
そのような理解で間違いはないですが、この辺りの山域を総称して大峰山と呼ぶ場合もあります。
駐車場までのアクセス
自動車でのアクセス
大阪駅から車で2時間弱。
阪神高速、近畿道、南阪奈道を通り京奈和道へ。
御所南ICで降りて309号線を進み途中で洞川温泉方面。
洞川温泉を通り過ぎ「ごろごろ茶屋」の有料駐車場に車を停めます。
公共交通機関でのアクセス
大阪駅からJRもしくは地下鉄で天王寺駅、近鉄線に乗り換え「下市口駅」へ。
バスで「洞川温泉ゆき」に乗り終点まで向かいます。
洞川温泉からごろごろ茶屋までは徒歩で約20分ほど。
バスの本数が少ないのと、所要時間が長いため自家用車でのアクセスをおすすめします。
登山ルート解説
ごろごろ茶屋駐車場を起点・終点とし1泊2日で稲村ヶ岳、山上ヶ岳を歩くコースを選びました。
詳しい行程は以下の図の通り。
1日目は6時間ほど歩き、距離は11kmほど。
2日目は4時間歩き、距離は9km弱。
稲村ヶ岳まで800mちょっとを一気に登り、その後山上ヶ岳へアタックする際も急な登りがあります。
Day.1:ごろごろ茶屋駐車場から稲村小屋
温泉地で有名な洞川(どろがわ)から川の上流へ少し進んだ先にある”ごろごろ茶屋駐車場”へ車を停め、出発です。
基本的には”ごろごろ水”という名水を汲みにくるお客さんのための駐車場なので、登山の場合は写真の奥の5台ほど停めることができる駐車場へ案内されます。
登山での駐車料金は1200円。水汲みだけなら500円か600円です。
道路沿いを川上の方へ進みます。
ちなみにごろごろ茶屋の道路を挟んだ向かいには”五代松鍾乳洞”があり、そちらを目的に来られている人も多数いるようでした。
“稲村ケ岳へ”の看板が見えたら右折して山道へ。
初めは杉に囲まれた道を進みます。
この辺りの杉は有名で”日本三大美林”に数えられ”吉野杉”の名を冠しているようです。
稲村ケ岳までは5.7km
山道を進む速度はおおよそ1時間で1.5kmから2km程度らしいので、稲村ケ岳山頂まで3時間ほどかかるでしょうか。
基本的には明瞭な道のりですが、一部私有地の表記があったので注意は必要です。
法力峠で観音峰との分岐があります。
まっすぐ進んで稲村ケ岳方面へ。
YAMAPの書き込みで発見したマンモスのような木。
このような細やかな発見も山の楽しみのひとつでもありますね。
今回の登山道は橋がとても多め。
そして、落石などで傷んでいる橋もけっこう多い印象です。
今にも崩れ落ちそうな柵が、、、
そうこうしていると稲村ケ岳山荘。
土日のみの営業ですが、売店もありテント泊も可能です。
Day.1:稲村小屋から稲村ヶ岳
今回は”小笹の宿”という場所でテント泊なのですが、食料が足りるか少し心配なので、こちらでカップヌードルを頂きます。
400円でお湯も入れてくれて、飲み水付きです。
ありがたやーー
トイレあり。
1回100円の使用料
小屋でザックを預かってもらい稲村ケ岳へアタックします。
途中、大日山への分岐がありますが、難所が多いとの注意書きがあったため今回はスルー。
今回のテント泊の目的はゆっくりと時間を過ごすことなので大日山は次回のチャレンジにとっておきます。
きれいに咲いているシャクナゲ。
花言葉は「威厳」「荘厳」で、高山の足場が悪い場所に咲き、厳しい環境でも育つことから付けられた花言葉だそうです。
山頂の展望台。
山頂到着です。
ごろごろ茶屋駐車場から出発して約3時間。
おおよそ予定通りのペースで来れました。
肉眼で見るのに夢中になり過ぎてロクな写真がありませんが、見晴らしがよく気持ちの良い山頂です。
軽く休憩したいところではありますが、場所が狭いうえに山荘から稲村ヶ岳山頂のあいだは陣取っての食事は禁止されているため諦めます。
Day.1:稲村小屋から山上ヶ岳
山荘まで戻ってきました。
ここから山上ヶ岳を目指し歩きます。
この橋は下に伸びる柱が無く、一瞬宙に浮いているのかと思いました。
よく見ると、横に支柱を渡しその上に木材を敷き詰めているような作りになっています。
このご時世、賛否両論起こりかねない”女人結界門”
その名の通り女性はこの先入ることができない場所となります。
その地域の歴史や文化も大切だし、ジェンダーで区別しない今風の考え方も大事だとは思います、、、
難しい問題です。
女人結界門から山上ヶ岳の山頂まで一気に登っていきます。
今回のコースではここの登りがもっともハード。
右へ行けば山頂。左へ行けば行場で有名な”西の覗”
西の覗とは・・
上半身を崖から出して先達の質問に対して大声で「はいっ!」と言い続ける修行
もちろん命綱はあります
西の覗は明日の帰りに立ち寄るので山頂を目指します。
ひらけていて気持ちの良い場所。
山上ヶ岳の山頂。
お花畑と書いていますが時期によってはお花が咲くのでしょうか?
写真の左側に進むと大峯山寺があり、そこを経由して本日の宿泊地である”小笹の宿”へと歩みを進めます。
Day.1:山上ヶ岳から小笹の宿
大峯山寺より南東方面へ進みます。
小笹の宿まではアップダウン少な目で比較的に歩きやすい道が続きます。
左に折れて進めば阿古滝という滝があるようですが、かなり下る必要がありそうなのでスルー。
そんなこんなしていると宿泊地の小笹の宿に到着。
この辺りは熊野から吉野までを結ぶ”大峯奥駆道”の一部で、縦走の途中での宿泊地としても利用されるようですね。
仏像や祠などがあり歴史を感じます。
避難小屋は思っていたより使えそうな感じ。
中はいたってシンプルですが寝るだけですから必要十分でしょう。
大人2人までなら泊まれそう。
小屋も空いていましたが、せっかくテントを持ってきましたので設営します。
テント場は棚田のように段々になっていて、10張くらいは設営できそうではありました。
また、すぐ近くに川が流れているので飲み水に困ることはなさそうです。
ろ過装置があると便利ですね。
少し高台に登ったところからの景色。
北側の景色なので夕暮れや日の出を綺麗に見ることはできませんが十分癒されます。
夕食のラインナップ。
コンビニで白ご飯を買ってバターチキンカレーを完成させたかったのですが、味付きのおにぎりしか売っていなくて断念。カレースープとしていただきました。
ユニフレームの山用フライパンを導入したので使ってみる。
フッ素樹脂加工がされているので中がこびりつきにくく、かつ汚れが落ちやすい。
まぁ今回は炒め物はなく、ただ使いたかったので持ってきただけなのですが、、、
炒め物もするし、麺類も湯がきたいのであれば深型のフライパンが良いかもしれませんね。
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Day.2:小笹の宿から西の覗
2日目。
朝の4時ごろからほら貝の音で目覚める。
テント場でゆっくりした朝を過ごそうかと思いましたが、前日は19時ごろに就寝したため目がパッチリ。
ご飯を食べ、さっそく動きます。
いったん大峰山寺まで戻りそこから下山していきます。
雲海がきれい。
歴史情緒のある建屋で厳かな気持ちのなります。
地図上には建屋の裏側に”東の覗”なるものがあると書かれていたので行きたかったですが、どこから向かえるのかわからず断念。
山上ヶ岳のお花畑へと出て眺望が良いという”日本岩”へと向かいます。
絶景かな。
北西には金剛山、大和葛城山、二上山、北東には近畿のマッターホルンと呼ばれる高見山を眺めることができます。
風を遮るものがないので少し肌寒いですが、素晴らしい眺めです。
宿坊を通り抜け西の覗に向かいます。
洞川まで8.7kmもあるんですね、、めっちゃ遠い。
Day.2:西の覗から下山
西の覗に到着。
朝早いこともあってか修行の方はおられませんでした。
その代わりと言っちゃなんですが、海外の方と遭遇。
毎度この手の有名過ぎない山で海外の方と遭遇すると思いますが
「どうやってここを調べてたどり着いた??」
と思ってしまいます。やはりSNSでしょうか??
リサーチ力半端ねぇです。
カメラを自撮り棒に付けて西の覗から真下を映してみました。
やはり写真だと臨場感が出ず伝わりづらいですが、生で見るとなかなかの迫力でした。
狭い場所なので長居はせずさっさと立ち去ります。
看板に従い左に進み下山道へ。
この下山道には茶屋が点在していました。
道を覆うような建物の作りになっているのが印象的で、中の雰囲気は『オールウェイズ三丁目の夕日』っぽい世界観で好きな人にはたまらない雰囲気があります。
水分が尽きそうな人のお助けとなる水場。
もうすぐ登山道が終わり。
登りはじめと同様に杉林のあいだを進みます。
登山道を出て振り返るとこちらも”女人結界門”
登山道入り口すぐ近くに大橋茶屋。
食事がいただけます。
トイレは管理が行き届いていて、山中のトイレにしては綺麗なトイレでした。
あとは道路を真っすぐ進めばごろごろ茶屋駐車場にたどり着くのですが、右手の川を挟んだ対岸に近畿自然歩道という道があるので、ぜひそちらを通ってごろごろ茶屋駐車場まで戻ってほしいです。
というのも、透き通った川の横を歩くことができ、非常に美しい自然歩道だからです。
川が青くキレイで、川魚もたくさんいたので癒されると思います。
コーヒーでも淹れてゆっくりしてから帰るのも良いかと思います。
今回持っていった装備
稲村ヶ岳・山上ヶ岳近くのおすすめスポット
みたらい渓谷
〒638-0303 奈良県吉野郡天川村北角
みたらい渓谷は、巨石や奇石、大小の滝、豊富な種類の木々がつくる壮大な自然景観が魅力。
四季折々の風景が楽しめるのでぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。
遊歩道が整備されているので森林浴を楽しみましょう。
五代松鍾乳洞
〒638-0431 奈良県吉野郡天川村洞川686−139
ごろごろ茶屋の目の前にある五代松鍾乳洞は80mの長さの洞窟を楽しめるスポットです。
最大の石柱「大黄金柱」は8mにも達し、見ごたえ抜群。
駐車場から鍾乳洞まではモノレールで運んでくれるのでそれも1つのアトラクションとして楽しめます。
洞川温泉センター
〒638-0431 奈良県吉野郡天川村洞川13−1
洞川温泉センターは洞川温泉街の入口にある温泉施設。
名産の吉野杉がふんだんに使われており評価の高い温泉です。
登山や散策で疲れた身体の疲労回復にピッタリ。
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