氷ノ山(ひょうのせん)は須賀ノ山(すがのせん)とも呼ばれ、兵庫県養父市と鳥取県八頭郡若桜町との県境にある標高1,510mの山。
氷ノ山の表記からもわかるように冬山登山やスキー場として人気の山ですが、山頂付近はとても視界が良く冬季以外の季節も多くの登山客で賑わいます。
今回は兵庫県側から氷ノ山へ登山してきましたので、その様子を皆様にシェアしてまいります。
アクセス
氷ノ山へは兵庫県側からと鳥取県側から登ることができます。
今回は兵庫県の「福定親水公園」を起点に登山しましたので、そちらへのアクセス方法をご紹介します。
公共交通機関
JR西日本山陰本線「八鹿(ようか)駅」より、全但バス〔2〕鉢伏線に乗車、そこから約50分で終点「鉢伏」下車。
15分ほど歩いて福定親水公園登山口です。
電車とバスを乗り継いで行けなくはないのですが、バスの本数が少ないのであまりオススメできません。
例えば土日祝に行く場合
となりますので、間の時間が6時間しかありません。
福定親水公園からの登山となると戻ってくるまでに6時間くらいはかかるので、時間の余裕が持てません。
危険が伴うのでやめておいた方が良いでしょう。
避難小屋で一泊するのならアリかもしれませんね。
ちなみに平日であれば8:14に鉢伏口に到着するバスがあるので大丈夫そうですね。
詳しくは全但バス鉢伏線の時刻表をご覧ください。
自家用車
【大阪から】
阪神高速11号池田線、中国縦貫自動車道敦賀線、舞鶴若狭自動車道、北近畿豊岡自動車道を通り、八鹿氷ノ山ICを出て国道9号を氷ノ山国際スキー場方面へ進む。
車で行くにもそれなりの距離がありますが、氷ノ山へ行くなら自家用車で行くのが無難でしょう。
ルート紹介
氷ノ山へ登る登山コースはいくつか存在します。
【兵庫県側から】
・東尾根コース
・大段ヶ平コース
・氷ノ山越えコース
・ぶん回しコース
【鳥取県側から】
・氷ノ越コース
・仙谷コース
・三の丸コース
etc…
今回はその中でもポピュラー?な兵庫県側から登る「氷ノ山越えコース」を歩いてきました。
氷ノ山越えコースマップ
福定親水公園を起点に地蔵堂、甑岩を経て山頂へ。
東尾根避難小屋を通り、福定親水公園まで戻る「氷ノ山の周りをグルっとできるコース」です。
ルート解説
福定親水公園~地蔵堂
氷ノ山国際スキー場や旅館を横目に進んでくると福定親水公園へ到着します。
駐車場には車が15台ほど停めれるでしょうか。
私は残雪期の4月後半の日曜日、午前9時に行ったところ駐車スペースは残り1台でした。
土日祝に登る方はなるべく早めに行った方が良さそうですね。
氷ノ山は遭難事故をよく耳にする山です。
特に雪のシーズンには遭難者は少なからず出ているようです。もしものために登山届の提出はしておきましょう。
お手洗いあり。5月~11月は山頂のお手洗いも使えるみたいですよ。
駐車場を出発!まずは平らな整備された道を歩きます。
4月も後半ですから辺りが緑々しくて心地が良いです。
福定親水公園にはキャンプ場があり、この日は1張テントを見かけました。
んなに自然豊かなところでキャンプ場独り占めは羨ましい限りです。
この辺りで整備された道は終わり、ガレ場を進みます。
昨年も氷ノ山へ来ましたが、その時は天気が悪く川が増水して大変苦労しました。
橋を渡り、いよいよ山道へ入ります。
くねくねと坂を登っていきます。「曲がり坂」と呼ばれているそうですね。
曲がり坂の途中に「布滝」があります。橋の上から真正面で見ることができるので、迫力があって見ごたえありました。
不動滝の看板がありますが、木々が茂っていてよく見えません。
冬なら見えるのでしょうか?
遭難者が多い山ですから、このような地蔵様が置かれているのでしょう。
ここからは何とか不動滝が見えますね。確かに別名の通りくの字型に曲がっています。
山頂まで4km。
7つの樹が1つに連なっています、なんとも珍しい。
曲がり坂を越えもう少しで地蔵堂。少し道がなだらかです。
地蔵堂にやって来ました。
前回来たときは大雨のため、ここでリタイヤしました。
『孤高の人』で有名な加藤文太郎氏も立ち寄ったという地蔵堂。
ここでしばし小休止です。
地蔵堂~氷ノ山越避難小屋
山頂まで3.5㎞、まだまだです。
梯子が見えてきました、しかしかなり角度がきついですね。
一度下って、川を越えもう一度登るわけですが、赤いほうの梯子はほぼ真上に登る感じです。集中しましょう!
木地屋跡とありますが木地屋とはなんでしょうか??
weblio辞書によれば・・・轆轤を使い、椀や盆などの下地をつくる特殊な工人集団。
だそうです。簡単に言えば木工職人のようなものでしょうかね。
“とうろう岩”は有名なスポットのようですが、残雪の関係かよく見えませんでした。
水はちょろちょろ流れていました。飲めるほどではなかったのでここはスルー。
あと2.5km。
ここはしっかりと水が流れていたので少し飲んでみました。
無味無臭で可もなく不可もなくな感じ。
本日最初の避難小屋「氷ノ山越避難小屋」
氷ノ山は避難小屋が多くていざという時は助かります。
氷ノ山越避難小屋~氷ノ山山頂
こちらの避難小屋は鉢伏山からの登山道、鳥取県側の登山道との合流地点になります。
ただいまの標高1250m。標高だけでいうと半分以上は登りましたね。
避難小屋の中は綺麗に保たれています。
奥に見えるのはスキー場で有名なハチ北高原。
頑張れば鉢伏山から氷ノ山まで歩いて来れますよ♪
徐々に近づいてきましたね。
氷ノ山越避難小屋からは尾根を歩く感じになるので、陽が当たって気持ち良いです。
真夏は日差しがきつそうですね。
山頂の避難小屋がくっきり見えてきました。(少し望遠しています)
氷ノ山ともなると4月後半でも雪が残っているようですね。
こちらも氷ノ山越避難小屋と同様に鳥取県側からの登山道との合流地点となります。
写真に大きく映っている岩は甑岩です。冬はここが難所となっているようですね。
あと一歩で山頂。
それにしてもなんとも美しい眺めです。
木の階段と山頂にある山小屋、そして青空。
素晴らしい。
氷ノ山山頂~東尾根避難小屋
標高1510m、氷ノ山山頂へ到着です!
天気は快晴、眺めはグッド。
福定親水公園から歩き始めてきっかり3時間で登ることができました。
山頂は広場になっていて、素晴らしい景色を眺めながら昼食が取れます。
三角点もありますよ。
天気が良く雲が少ない日は、鳥取県にある伯耆大山を見ることも出来るそうです。
氷ノ山は日本海側にある山ですから、天気が変わりやすく風も強く吹きます。
そんな時に避難小屋があると非常に助かります。
いつかはここで1泊して山頂からご来光を眺めるのもいいなーと思っています♪
お湯を沸かしてスープとカップ飯。
ちなみに写真を撮り忘れましたが、近くにお手洗いありますのでご心配なく。
(冬季は閉鎖)
私が愛用しているSOTOのバーナーであれば少々の風や冷気にも負けず活躍してくれますから
山でお湯を沸かしたい!料理がしたいという人にはオススメです。
▼レビュー記事はこちら▼
氷ノ山に数百回と登っている氷ノ山マスターのおじさまのお話を伺いつつ
雲がかかってきたので下り始めます。
東尾根方面へ。
山頂から数十メートル進んだところに絶景スポットあり!
この奥は断崖絶壁で雪が崩れたら落ちてしまいそうです。
みたらしの池の看板は見つけましたが、実物を見つけることができませんでした、、、
神大ヒュッテでは団体さんとすれ違いました。老若男女いましたので登山ツアーでしょうか。
ところどころに川か雪解け水があって、地面がぬかるみ歩きづらかったです。
季節的に致し方ありません。
水飲み場はけっこう豊富ですね。
少し休憩をして、雲行きが怪しくなってきたのでレインウェアを着ます。
1時間前まで快晴だったのに一気に天気が変わってきました(^^;)
霧が濃くなり、小雨が降ってきました。
ここまでくると景色はまったく見えない、、
今回最後の避難小屋、東尾根避難小屋。
東尾根避難小屋~福定親水公園
東尾根登山口へ向かって、くねくねと下っていきます。
真っすぐ行くと「まど登山口」、左へ折れると「東尾根登山口」。
左の道を進みます。
木の階段が続いて、急激に下っていきます。
足も疲れているでしょうから、注意しながら歩きましょう。
写真の奥から降りてきました。ここで山道は終わり。
あとは道路を道なりに進みます。
道中、逆水キャンプ場があります。ここは公共のキャンプ場のようですね。
氷ノ山国際ロッジの横をを通りつつ歩みを進めます。
この道は但馬アルペンロードと呼ばれる道のようです。
スタート地点の福定親水公園まで戻ってきました。
スタートからゴールまで休憩込みで6時間ほどの道のり、丁度よい疲労感と達成感。
尾根や山頂から見る景色はとても良く、水場と避難小屋もしっかりとあり、登山口、山頂にお手洗いもありますので、かなり施設、環境は整った山です。
雪のない季節でしたら、登山経験の少ない人でも楽しめそうですね。
ただし日本海の近くにある山ですから、晴れの予報であっても雨対策は必須です。
風が強い日も多いでしょうから防寒対策もお忘れなく。
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